活きるポイントはリラックス
最大のポイントは「リラックス」です。
心の病気の入り口として、夜に眠れないという現象があります。
不安が膨らんだり、消化できない怒りの感情を思い返したり、怖い思い出がよみがえったり・・・。
原因は人によって様々ですが、眠ろうとした時に、こういった記憶や感情が出てくると、眠れなくなります。 つまり、休むことなく頭が動きまわっているのですね。
この為、まずは頭を休ませる事が大事で、精神科・心療(内)科による治療では、ほとんどの場合、眠剤が処方されます。
覚醒している時はどうでしょうか?
他人の目が気になったり、落ち着かずイライラしたり、緊張がずっと続いていたり・・・。
こんな状態だと、効率の良くいい仕事ができないでしょうし、集中した作業や勉強などもできません。当然ながら、そういった中からいいアイデアが出てくるはずもありません。
覚醒している時であれ、眠っている時であれ「何をどうするか?」や「どのように考えるか?」などなど、対処方法や方法論を考えたり試したりする以前に、リラックスできているかどうかが一番のポイントになるわけです。
眠ろうとした時、不安な感情や怒りの感情が湧き上がってきたり、過去に味わった嫌な思いの反芻をしていたり・・・。
そんな状況は、生命にとっては危機を感じている状況ですので、頭の中で、常に、ファイティング・ポーズを取っているようなもので、休むどころではありません。
覚醒している時も同じで、常にファイティング・ポーズをとっていると、疲れ切ってしまいます。
武道などでも使われますが、意識して平常な状態を保つように心がけるといった意味合いが強いのですが、リラックスは、意識せずとも、自然と平常な状態にある事と言ってもいいでしょう。
もの静かで、落ち着いていて、物事を冷静に把握し、焦ることなく対処できる。
もちろん、すべての事柄が気持ちの上で整理され、消化されていますので、眠るときもぐっすりと眠れます。
本当のリラックス
仕事でも遊びでも、なにかの都合上、徹夜をする事になった時、次の日に、2日分位眠ったにも関わらず、なんか疲れが残っていると感じた経験は、誰しもが持っていると思います。
普段の仕事や学業を終え、その時点で疲れているにも関わらず、徹夜をするとなると、疲れを感じるレベルを自動的にあげてしまいます。危機的な状況にある場合には、生命を守るために疲れているなど言ってられないので、自動的に疲れを感じるレベルを上げる機能が、動物には基本的に備わっているものなのでしょう。
このレベルが上がってしまうと、疲れを回復するために休んだとしても、疲れを疲れと感じさせない為に上げてしまったレベルまでしか戻りません。この為、疲れが残っているように感じます。その後、何日かかけて、元の状態に戻っていきます。
心に問題を抱えている時も同様です。本当は休息を取って回復しなければならないぐらいに疲れているのですが、さらに頑張れるように、疲れを感じさせるレベルを上げてしまいます。その状態から、更に、負荷がかかるわけですから、辛くもなります。
一定の負荷が、ずっとかかっている状態で、さらに負荷をかけるような場合。
例えば、鉄棒にぶら下がった状態で、ぶら下がれる限界ぎりぎりまでその状態をキープし、そこからさらに懸垂をするといった事をすると、筋肉が固まってしまい、しばらくの間、鉄棒を握った形から動かせなくなったりします。
心も同じで、疲労レベルを上げてしまって、さらに負荷がかかる状態が続くと、心もカチコチになり、柔軟性が失われます。もちろん、楽しい事を考えるとか、前向きに考えるといった事で、ある程度はカチコチになった心も柔軟性を取り戻しますが、根本になっている問題は解消されていない(鉄棒にぶら下がっている状態)なので、本当にリラックスしているレベルまでは下がりません。
TFTでは、問題の引き金となっている根本原因による不調がその場で無くなるので、これまで経験した事がないようなリラックス感を得る事ができます。鉄棒の話で言うと、まずは握り続けている鉄棒から手を放してもらう事に相当します。
その上で、上げてしまった疲れを感じさせるレベルを正常な状態にまで戻しますので、これまでそれが普通だと思っていたレベルから、本当はこんなに楽だったんだと感じるレベルまで落ちます。この結果、よく眠れていなかった人はもちろんのこと、眠れているつもりでいる人も、途中でとても眠くなります。
また、本当によく眠れている人やゆっくり休んだ後の寝起きなどにやると、頭もすっきりし、もの静かで落ち着き、物事に集中できる平常心を自然に得る事ができます。
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