現象論から科学的に確立されたTFT
○○○○サスペンス劇場といったドラマ番組を見た事があるでしょうか?
「ご主人が○○でご遺体で発見されました」と伝える刑事。それを聞いたご婦人は、その場で姿勢を崩して座り込む。
よく出てくる場面です。(こういった場面の時は、往々にして和服の女性の場合が多いように思えますが・・・)
この例ほど、あからさまではありませんが、人は、心理的に受けた影響(食べ物の影響を受ける事もあります)に対して身体の力の入り具合が変わります。
こういった現象は、アプライドキネシオロジー(Applied Kinesiology:AK)と呼ばれる筋肉反射などに関する学問で研究されています。カイロプラクティックのテクニックの一つに組み込まれていたり、指の力の入り具合で診断するO-リングテストなどにも応用されています。
TFTもこの研究の成果を応用しています。
ツボをタッピングする事に関しては、「心理的に問題のある患者が胃の不快感を訴えた時に、胃の治療ポイントであるツボをタッピングした時に、心理的な問題まで解決してしまった」という現象の発見(関連書籍等にも記載されています)が始まりでした。
この発見以降、心理的問題と力の抜け具合(AKの技術)、それと、特定のツボをタッピングすると力の抜け具合が改善する現象(東洋医学の技術)に着目し、うつ症状や不安感、極度の緊張といった心理的な問題など、これらの事を考えた時に感じる気分や感情ごとに、タッピング箇所やパターンの臨床試験を繰り返し、有効性が認められたタッピングパターンをまとめたものが、TFTアルゴリズム・レベルの技術となっています。
つまり、TFTは、現象論から、科学的手法を用いて確立されてきた技術という事になります。
TFTアルゴリズム・レベルでは、手順がパターン化されているので、セルフケアとして気軽に使えるものとなっています。ただし、効果的に使うには、心理的な問題になっている感情や気分になる事(チューニングと呼びます)が重要で、セルフケアで効果の確認ができない方は、一度、専門家に相談される事をお勧めします。(個人にパターンがあっていない場合も効果が確認できない事がありますので、その際は、中級以上の専門家にご相談ください。)
中級の専門家になると、タッピング・ポイントごとに、身体の力の入り具合をチェック(診断)した上で、個人に応じたタッピング・パターンのアドバイスをする事も可能になります。
上級になると、声で判断する技術も習得していますので、電話やスカイプなどのビデオ通話でも対処可能となります。
論文でも報告されている実験で証明された効果
1995年。ある実験が行われました。
この実験は、当時、トラウマ治療の方法として存在していた次の療法の専門家を集め、複数人のクライアントに対してトラウマ治療を実施することで、トラウマ治療における安全性・解消後の継続性・治癒の速さ等を測定したものです。
- TIR(Traumatic Incident Reduction)
- VKD(Visual-Kinesthetic Disassociation)
- EMDR(Eye Movement and Reprocessing)
- TFT(Thought Field Therapy)
特筆すべき事は、この時、治療にあたった専門家は、すべて、上記療法の創始者、つまり、超エキスパートであったこと。
この実験の結果は、論文「Psychosocial Stress Research Program and Clinical Laboratory, Florida State University, Tallahassee, FL 32306-4097, June 27, 1995 Charles R. Figley, Ph.D」にまとめられています。
この論文では、実験結果として、TFTは、次の点で際立っており、最もパワフルで安全な方法と報告しています。
- 速い
- 害がない(副作用・副反応がない)
- クライアントが苦痛に感じる事を言葉で話す必要がなく、苦痛を最小限に抑えられる
- シンプルで誰でもできる
- 治癒後の継続性が高い(実際は、一生、ぶり返す事はない)
ちなみに、この実験には、日本TFT協会理事の森川綾女氏も、TFT創始者であるキャラハン博士に従事していた時期でもあり、立ち会いをしたそうですが、キャラハン博士は、あまりに早くに終わりすぎて時間を持て余し、実験場所構内を暇そうにぶらぶら散歩しまわっていたそうです。
兎にも角にも、それほど速いということですね。
なお、その他療法も、効果がないわけではなく、それぞれ素晴らしい結果を出している事は補足しておきます。
心に不調を感じた時はどこに行く?
明らかな病気とは思えないが、なんとなく心に不調を感じた時、どこに行くでしょうか?
一時的にリラックスしたいのであれば、リラクゼーションのお店やマッサージ店、身体症状まで出ている方は、鍼灸の治療院に行かれる方もいらっしゃるかもしれません。
もし、自分自身で、それが心に問題があるのでは?と疑った場合・気が付いた場合、人によっては内科や外科の先生に紹介されてという場合もあると思いますが、精神科や心療(内)科を受診するのが、一般的だと思います。
勇気を出して、いざ、心療内科に行ってみると、「話を数分して、薬が処方されて、はい終わり。のような感じでなんだかなぁ・・・」という感想を持たれる方がたまにいらっしゃいます。
でも、これは、そういうものなんですね。
精神科・心療(内)科では、セレトニン・ドーバピン・ノルアドレナリ・メラトニンなどなど、気分や身体症状に関連するホルモン物質の名称が出てきますが、医師は、患者さんが訴える症状(気分も含む)から病名をつけ、その病名に対して、関連するホルモン物質をコントロールする薬の中から、処方可能な薬を処方するのが仕事なのです。また、病院・医院の事業を継続するには、受付や看護師などの人件費もありますので、数千円の費用で1時間・2時間と対処するのは非現実的で、限られた時間内に、ある程度の人数の患者さんを診る必要があります。
時間は短いものの、最近では副作用も少なく、常用性や依存性の少ない良い薬がたくさん開発されており、効果や有効性もどんどん高くなってきているようですので、心の不調を感じた時は、精神科や心療(内)科を受診されるのは、間違った選択ではないと思います。
ただし、精神科や心療科を受診する事は、効果があるのですが、何点か、注意しておかないといけない事があります。
- 診察した医師に不安を感じたら他の医療機関にセカンドオピニオンを求めましょう
極々稀な事ですが、心療内科に行ったら最初から処方限度いっぱいいっぱいの薬を処方されたという方がいらっしゃいます。
薬というのは、(もちろん、薬の種類にもよりますが)薬の血中濃度をなるべく一定に保ち、薬効をコントロールするのが普通ですし、患者さんへの合い具合も関係するので、錠剤ならば半分に割って調整するなど、少量からはじめ、その効果を見ながら医師が量を調整していくのが普通かと思います。このため、本格的に薬が効き始めるのは、服用し始めてから血中濃度が上がってくる3日後位からです。
ですので、処方された薬の量が異常に多いなど、診察にあたられた医師に不安を感じたら、処方された薬を持って他の医療機関を受診するようにしましょう。
なお、心の不調を訴える方は、夜に眠れなくなる場合が多く、疲れ切った脳をまずはちゃんと休ませるために、眠剤も一緒に処方される場合が多いです。眠剤は、短い時間の間だけ効く種類の薬ですので、血中濃度を一定に保つタイプの薬とは違い、即効性が高いものなので、なおさらに、服用量には注意が必要です。
いずれにしても、効果が見えないからといって、勝手に量を調整するのではなく、必ず、医師の指示に従って服用するようにしてくださいね。 - カウンセリングも一緒に受けるようにしましょう
先の記載にもあるとおり、精神科や心療(内)科での治療は、今見えている気分や症状について、医薬の立場から対処するものです。この為、気分や症状の面で、薬の服用をしなくても解決するようであれば、それで治療は終了になります。
現在かかっているストレスのみが原因である場合は薬の服用だけでもいいでしょうし、症状が改善すれば、問題が再発する事もないでしょう。しかし、根本の問題が考え方の癖であったり、過去のトラウマであった場合、薬を服用したからといって無くなるわけではありませんので、カウンセリングも一緒に受ける事をお勧めします。 もちろん、今抱えているストレスが原因であった場合でも、有用なアドバイスをもらえる可能性も高いです。 - 断薬がつらい場合がある
薬の服用によって症状が改善すれば、ゆっくりと長い時間をかけて薬の量を減らしていきます。これを断薬といいます。
昨今では、依存性が少なく、有効性の高い薬がたくさん開発されていますので、時代とともに、断薬も楽にはなってきていると思います。もちろん、断薬時には、薬の血中濃度が下がってくる事による症状のぶり返しがないように、医師も細心の注意を払って調整するのですが、血中濃度が下がることによるもの以外に、薬が減っていく・薬を飲めない状況になる事に、心理的な不安を感じ、つらい気分になる方もいらっしゃいます。人によっては、完全に断薬していても、いつでも服用できる場所に薬を置いておく事で、安心感をキープしている方もいらっしゃいます。
TFTでは、単純な不安だけでなく、パニック障害における予期不安や依存症の解消にも効果がありますので、こういった断薬時と併用する事で、より楽に断薬に対応できます。 - 一定期間、生命保険に入れなくなります
2014年現在での話ですが、精神科・心療(内)科で治療を受けた場合、がん保険や傷害保険などは大丈夫ですが、一定期間、生命保険には入れなくなります。その期間は、完治後3年なのか5年なのかは保険会社によって異なるとは思いますが、比較的長い間、生命保険には加入できません。
生命保険をかけるほど資産家じゃないなど考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、見落としがちなのがローンの契約です。
家やマンションなど、不動産をローンで購入をされる場合、団信(団体信用生命保険)への加入が義務付けられています。これは、ローンの支払者に不慮の事態が発生した場合、ローンの残りをこの保険で支払うという仕組みです。これは、生命保険ですので、この保険に加入できなければ長期ローンを組む事ができなくなります。
とはいえ、心の問題を放置しておくのも問題なので、重要性や優先順位を考えて精神科・心療(内)科の治療を受けるかどうかを選択することになります。また、通常の生命保険の切り替え・乗換えなども一定期間、できない事になります。調べていないので、正確ではありませんが、学資保険も同じような事があるかもしれません。
もし、保険の問題と心の問題の板挟みになっているのであれば、TFTを試してみる事をお勧めします。
TFTでは、ストレスケアだけでなく、抑うつ症状や不安症状の解決の他、パニック障害などにも高い効果を発揮します。もちろんTFTセラピストは無理はしませんので、滅多にある事ではありませんが、精神科・心療(内)科の治療も併せて行った方が良いと判断した場合は、医療機関での受診をお勧めする場合もあります。
精神科・心療(内)科の治療(服薬)とカウンセリングの併用は、非常に効果が高いものです。しかしながら、上記のようなデメリットもあります。
また、効果はあるものの時間がかかります。
これら医薬による治療は、薬によって体内の関連する物質を化学的・生物学的にコントロールしますので、効果は高いでしょう。一方で、上述のようなデメリットがある上、治療は慎重に進める必要があり、時間がかかります。また、薬による症状の解消・緩和と思考(考え方の癖など)の修正は別の問題ですので、問題が解消された状態を継続的に維持するには、投薬の治療とは別に、カウンセリングを受ける必要もあります。
TFTは、デメリットがない事もさることながら、即時的に同等程度の効果が得られるます。特に「問題について考え、その時に出てくる症状がその場で解消される」という所にポイントがあります。
「問題について考え、症状が出る状況で問題が解消される=問題となっていた事を考えても平気になる」といったように、「思考する事」と「現れる症状の解消」が同時に起こります。この特徴から、一度問題が解消すると、後日、再び同じ問題について考えても大丈夫なようになります。ただし、後日に摂取する食べ物や香りによっては、症状が戻ってくる事がありますが、カウンセリングの際に、セルフケアの方法も指導しますので、ご自身で対処することができます。
薬による治療とカウンセリングの併用は、とても効果があることなのですが、薬が一定の血中濃度で効いている時に、カウンセリングで考え方や捉え方を変えていくという事になりますので、TFTの立場からすると、後先(問題と解答)が逆で、その結果、時間がかかってしまう結果になるのであろうと推測されます。
リラクゼーションや整体が心に効く時もある
要は、心と身体はつながっていて、心に問題をきたすと身体症状が出る場合もあるし、身体に問題があると、心に支障をきたす場合があるという事です。
逆に、リラクゼーション・マッサージで体をほぐすと、リラックスする事で、心の問題が軽減される事もありますし、気功などを使ってうつ症状を改善する治療などもあります。
また、昨今では、腰痛の80%程度は整形外科的には問題がなく、心の問題に起因しているといった事がTVなどでも放映されるようになりました。こういった事があるので、ガキガキ・ボキボキ・グイグイと身体のゆがみを調整するのではなく、やさしく手を添えるだけで、腰痛の他、様々な身体の痛みを取ってしまう治療院がとても流行っています。
このように、(見た目は)身体の方からアプローチする方法が、心の問題を解消する場合がありますが、それ以前に、こういった治療院は、鍼灸と言ったり、リフレと言ったり、リラクゼーションと言ったり、名称とやる事が玉石混合状態ですので、まずは、ここで、それぞれの特徴をまとめてみます。ただし、この業界の名称は、全く整理されていませんので、あくまで、荒っぽくカテゴライズし、その特徴をまとめたものとお考えください。
- リラクゼーション・リフレ・マッサージ
リンパ液の循環をよくするとうたったものもありますが、基本的には、これらは固くなった筋肉をほぐすものです。つまり、運動不足や長期にわたって筋肉に負荷がかかていたために動かなくなった筋肉を自分で運動して動かすかわりに、外から動かしてやる事となります。リンパ液の循環も、本来は筋肉の動きによって循環するものなので、状況としては同じです。
自身で筋肉を動かすのではなく、外力によって運動に相当する動きをさせるため、いわゆる「もみかえし」(筋肉痛)がおこる場合があります。 - 整体・整骨院・カイロプラクティック
偏った運動や姿勢により、曲がってしまった骨の位置を間接や骨を正常な位置に戻すことで、それまで感じていた痛み、場合によっては筋肉のこりや負荷を解消するものです。
これらの方法は、治療時には、骨や関節が正常な位置に戻りますが、長い期間、曲がった状態で姿勢をキープするための筋肉の強さは偏ったままなので、何回か通って、徐々に正常な位置にもどしていく必要があります。
また、身体の不均衡が、心因性の問題と感じてらっしゃる先生方も多く、スポーツ整体の先生の指導で、片目を隠して30秒ほど立ってもらうだけで、腰痛が治ってしまったという例もあります。 - 鍼灸・ツボ・気功等
ツボを刺激(気功も同じ)する事で、人間が本来持っている自然治癒力を高め、内臓や筋肉の問題を解消する事で心身全体を正常な状態に戻すものです。
グイグイとツボを押して、その場で心地よさを体験できるという事もありますが、意外にも、その場では「これ効いているの?」と感じるようなソフトな感じで刺激される治療の方が、後からじわじわ効いてきて、結果的に自然に良くなっていたという事も多々あります。
その治療が効いているかどうかを確認するのは簡単で、治療を受けた後、これまで痛めつけられていた心身を修復するために自然治癒力が休息を要求するためか、全身的に倦怠感を感じます。
もちろん、筋肉の硬直の問題を解消する目的の方は、ツボの部分をグイグイ押して筋肉をほぐしてもらう方を好まれるかもしれません。これは、お好みで、自分に合った治療院を選ばればよろしいかと思います。
これらの手法は、身体がリラックスしますので、心身相関の考え(現象)にたてば、心の問題も解消、もしくは、軽減される場合もあります。
しかし、残念なのは、根本的な原因が心にある場合、施術や治療を受けている時に、心の問題に焦点があたっていない事です。
リラクゼーションを受ける際は、通常、身体に現れている痛みや不快感に焦点があたっているか、リラックス気分を堪能する事に集中しているかで、あまり怒りの感情や悲しい感情を出しながら受けられる人はいないでしょう。
薬の服用とカウンセリングの併用(「心に不調を感じたらどこに行く?」に記載)もそうなのですが、要は、問題を解決するための方法を取る時に、問題の根本原因に焦点があたっているかどうかがポイントなのです。
TFTでは、問題の根本原因となっている思考にチューニングし、その場で症状を解決してしまいますので、TFTでの解決を相談される方は、「いろんな事を試したけど効果がなく、ダメ元でTFTを受けたみた」という人がとても多いです。そして、「今までの中で、一番、効果があった。」とか「これまでやってきたのは何だったんだろう」という人が続出することになります。
歪む心、曲がる身体
自分の持っている意見や信念をそのまま貫いて生きる事はできません。バランスよく社会生活を送る上では、ある所では妥協もし、自分の意見を飲み込み、意見を変える事も必要です。
しかしながら、それも程度問題です。
人によっては、自分の意見はいつも飲み込み、それが自分自身で納得できればいいのですが、納得がいかないままに、どんどん溜め込んでいってしまう人もいます。その結果、何が自分の意見なのかすら、わからなくなってしまう人もいます。特に、成長の過程において、DVを受けていた方などは、自分の意見を押し込めてしまう事が癖のようになっている人が多いように感じます。
自分の意見はあるが、それとは裏腹の言動をしなければならないといった「歪んだ状態の心」になると、心身相関(「リラクゼーションや整体が心に効く時もある」の項を参照)の現象を考えるならば、身体の芯も曲がってくる事になりますし、実際にそうなります。
当然ながら、肩こりにもなれば、腰痛にもなります。
政治家の方などは、本心や信念を言えない事が多いのでしょう。偉くなればなるほど、顔が曲がってくる人が多いと感じるのは気のせいでしょうか?
顔では笑っていても本心が違うと普通の人でも顔は曲がった感じになりますよね。苦笑いだとか、目は笑っていないといった場合です。
政治家ほど重責の任についていなくても、普通の生活で自分の意見を曲げ続け、なかなか自分の意見を言えない人は、顔が傾いていたりします。
TFTでは、心の芯をまっすぐにし、自信を取り戻すタッピング・パターンもあります。
専門家の診断による他のタッピング・パターンと併せて実施する必要がありますが、実施している最中に、みるみるうちに身体の線が真っ直ぐになっていくのが見て取れます。
当然の事ながら、身体の線が真っ直ぐになっていくので、腰痛の方は、その場で痛みがなくなってしまう結果になります。
これまで腰痛をお持ちの方を多数診てきましたが、現在の所、100%腰痛が解消している上、後日の意見聴取やフォローにおいても、ぶり返した人もいらっしゃいませんでした。もちろん、これから失敗事例も出る可能性がありますので、絶対に痛みがなくなりますとは言えないものの、ほとんどの場合、腰痛はなくなると言ってもいいかと思います。
もちろん、整形外科的に問題がない場合に限ります。
骨が折れている・変形している・関節に炎症があるなど、整形外科的な問題がある場合は、まずは、適切な病院に足を運んでください。ただ、TFTは痛みそのものを取る効果と自然治癒力を正常な状態に戻す効果がありますので、まずは痛みを軽減し、治癒する期間を短くできる可能性はあります。
当然ながら身体の歪みを治す事は、整体などでもやられる事なのですが、心の歪みまで取れる事は少なく、根本原因である心の歪みが残っている限り、元の状態に戻したとしても身体の歪みがまた出てくることになります。その結果、長期にわたって、良くなったり悪くなったりを繰り返す方も多いかと思います。
美容的効果の可能性
暗い顔をして、うつむきながら生活している人よりも、明るく元気ハツラツとされている方の方が魅力的ですし、他人から見ても健康的で輝いて見えるものです。
また、いつも心の状態がファイティング・ポーズをとっている状態(緊張している状態)であるよりも、穏やかで他人をも安心させる雰囲気を持っている人の方が自身の美容には良いはずです。
TFTによる心理セラピーを組み合わせたHRCアクティブ・カウンセリングでは、心の問題を解決し、その人が本来持っている能力を引き出し、自信を持って生活できるように変えていきます。リラックスしている状態を維持できるように変わりますので、内面から影響する美容に効果がある可能性はあります。
それ以外に、TFTの中のある方法が、心や体に影響する体内の毒を排出する効果もあり、デトックスという意味合いで美容に効果がある可能性があります。
また、便秘がちの人(正確には、軟便も含む腸にトラブルを抱えている人)なども、カウンセリング&セラピーを実施している途中で「ちょっとトイレに行ってきま~す」といった感じで、その場で解消される人もおり、肌の健康に大敵な腸のトラブル解消による美容的効果を得られる可能性があります。
花粉症等アレルギー症状解消の可能性
花粉症のように、季節によって症状がでるものから、数年にわたって、もしくは、一生を通じて症状がでるものまで、アレルギー症状は、非常につらいものです。
プロフィールにも書きましたが、私自身も3年間もの間、蕁麻疹と戦った経験があります。
アレルギー症状を引き起こす原因は、通常は身体が敵とみなさない物質を身体がかってに異物と判断し、その結果、ヒスタミンが大量に放出される事によるものです。このため、服用薬で対処する場合は、抗ヒスタミン剤などが使われます。
花粉症対策の目薬などにも入っていますね。
上記では「原因」と書きましたが、あくまで生物学的・科学的な現象論としての原因で、さらに遡って根本原因を考えると、主だったものとしては、次の2つであろうと思います。
- アレルギーを引き起こす物質の過剰摂取の蓄積による過敏反応
※これをバレル効果といいます。摂取する物質によって、これまでの摂取量を測るバケツのようなものがあり、その許容量を超えると少量でも過敏反応が起きるというもの。 - ストレス
バレル効果によるアレルギーについては、腸が関連している可能性が高いと感じています。
「まだ、不衛生であった昔のように、腸にサナダムシを飼うとアレルギーがでなくなる。これは、現代社会が清潔すぎるので、ちょっとした異物でも敵としてみなしてしまうためで、腸に異物を置いておく事で身体が異物に対する反応を和らげることができる。」といった事を言われる医師もいらっしゃいますし、腸内の善玉菌を増やせばアレルギーが改善していくと言われる方もいらっしゃいます。また、赤ちゃんのアトピーなども、内臓の機能がまだ完全に出来上がっていないため、摂取物がちゃんと分解されずに腸まで届くことによりおこる場合もあるなど、腸に関連する事が多いですね。
普通に考えれば、腸は栄養を体内に取り込む機能でもあるのですが、なんらかの理由により、有害・無害なものを選別して吸収する機能がきちんと機能していないと、身体に異常をきたして当たり前で、腸のトラブルがアレルギーと関連している可能性はあるでしょう。少なくとも、腸の状態を正常な状態に保てば、異物を体内に取り入れてしまう事によって、バレルが満杯になる事を防ぐ事ができることになります。
「止まらない鼻水を3分で止めた」時もそうだったのですが、TFTを使ってアレルギーに関連する対処をする場合には、腸に関連するツボが出てきます。もちろん、他の複合的な問題も関連していますので、腸に関連するツボだけで解消できるわけではありませんが、診断すると必ずそのツボが出てきます。また、「アレルギー症状がでるほどではないが、強い香水の香りをかぐと、気分が悪くなる」といった外部からの刺激による気分の反応にも効果があります。
もう一つの根本原因であるストレスについては、因果関係が科学的に完全に証明されているわけではありませんが、アレルギー症状の原因の一つになっているであろうと、一般的には予測されています。少なくとも、アレルギーで病院に行った時に、原因がわからない時は、医師に「きっとストレスが原因でしょう。」と言われる事も多いのではないでしょうか?
私が蕁麻疹を発症していた頃は、1か月260時間位は就業する事が続いており、それ自体は若かった事もあり苦痛ではなかったのですが、「急がなければならない仕事」・「次の製品のための設計・検討・他部署への指示」など、時間を急がされ、かつ、緊張が連続する職種でもありましたし、その他、家庭でも子供が生まれる事による環境変化などあって、知らないうちにストレスが溜まって、身体が悲鳴をあげたのでしょう。
悪い事に、蕁麻疹の場合は、掻けばかゆい場所が広がる上、かゆい事自体がさらにストレスになります。原因(物質)もわからず、対処としては抗アレルギー薬の服用でコントロールするしかなく、強烈な眠気と戦いながら仕事をしていた事を覚えています。
今であれば、TFTを知っているので、もっと楽に対処できていただろうなと考えています。
このように、TFTは気分に関する問題だけでなく、身体の痛みの他、アレルギー症状の緩和・解消にも有効になる可能性があります。もちろん、アレルギーの原因がストレスにある場合も多いようで、TFTでストレスを解消することが、結果的にアレルギーを解消することにつながる可能性もあります。
HRV(エイチ・アール・ヴイ)
なんとなく胸のあたりがモヤモヤする。
緊張すると心臓がバクバクする。顔が紅潮する。手が汗だらけになる。
ストレスのかかる場所に行く事やストレス源になっている人に会う事を考えるだけで胃が痛くなる。
仕事場や学校など、ストレスを感じている場所に向かおうとするとお腹を下す。
こういった症状は、意志の力でコントロールする事ができない事から、自律神経(交感神経と副交感神経)が関係している事がわかるかと思います。
自律神経のバランスを科学的に測る指標(正確には、自律神経系の状態を知る窓口)として、HRV(Heart Rate Variability)というものがあります。日本語では「心拍変動」等と訳されます。
心理カウンセリングや心理セラピーでは、言葉による誘導やクライアントに具体的な言葉にして言ってもらうといった事をします。その結果、「なんとなく大丈夫な感じがしてきた」とか「なんとなく言われるとおりかな?」といった、心理的な思い込みが生む効果(プラシーボ効果)が入りこみます。当然ながら数値的に測る事はとても難しくなります。
(注:思い込みや認知の変更なども効果的な治療になっていますので、プラシーボ効果が悪いわけではありません。)
その点、HRVは、唯一、こういったプラシーボ効果の影響を受けず、心身の健康状態の改善具合を科学的に測定できる指標と言う事ができます。
また、うつ症状や常に不安を抱えている人はHRVの測定によって得られる数値が小さくなる傾向があったり、HRVが改善すると心理的な問題も改善したりしますので、心療(内)科やカウンセリングルームでも、改善具合を測る指標として使われている所も多くあります。
HRVとは、心拍変動という言葉が示すとおり、心臓の心拍と心拍の間の時間が変動する現象をさしています。
一般的には、年齢とともに変動は小さくなる傾向にあります。また、変動が非常に小さい(=より一定に鼓動する)場合は、心臓の病気が潜んでいる場合もあります。つまり、柔軟に変動する方が若くて健康的という事になります。
HRVの話がされる時、「HRVが改善する」とか「HRVが低い」といった言い方をする場合がありますが、「HRV」という言葉自体は現象の名称で、実際に「HRV値」といった数値があるのではなく、指標とする数値は、違う言葉で表現されています。以下、指標となる具体的な数値について記載します。
心拍というのは、安静にしている時でさえ、一定の時間間隔で鼓動しているのではなく、毎回、少しずつ違う間隔で鼓動しています。
上図に示すとおり、ある心拍から次の心拍までの時間がR1であったとしても、更に次の心拍までの時間は同じ時間ではなくR2という時間に変動します(たまたま同じ時間になる場合もあります)。
この1つの心拍から次の心拍までの時間をIBI値(Inter Beat Interval)と呼びます。医療ではR-R時間と呼ばれています。
下図は、10代前半男性に椅子に座って安静にしてもらっている状態で5分間、IBI値を測定したものです。この図でもわかるように、けっこう、心拍の時間間隔というのは変動しているものなのです。
下図に示すとおり、このIBI値のデータを数分間測定・蓄積し、統計処理すると変動幅を求める事ができます。
統計処理と言っても難しい話しではなく、心拍の変動具合は、ほぼ正規分布のようになりますので、平均の心拍間の時間(平均値 μ)と、その標準偏差値(σ)の値を求めればよいだけです。
この標準偏差値(σ)をSDNN(Standard Deviation of the Normal to Normal Interval)、もしくは、SDRR(Standard Deviation of the R-R Interval)と言います。
HRVの測定で意味を持つのは、このSDNNの数値です。
右の図は、前述の測定に協力してくれた10代前半男性のIBI値の分布と計算によって求めた標準分布です。
さすがに若いだけあって、SDNN(標準分布の σ)は、110程度になっています。
(10代前半という事もあって、安静な状態を意識してキープするのは少し難しかったかもしれません。このため、少しばらつきはあるのですが、SDNNの値としてみた場合、それほど大きく値がずれるという事はなさそうです)
SDNN(安静時)の値は、若い方やとても健康な方ですと100を超える数値になる方もいらっしゃいます(TFT創始者のキャラハン博士は、食事にも注意を払い、高齢にも関わらず、100以上の値をキープしていたと聞いています)。
成人であれば、SDNN(安静時)の値は、経験値ではありますが、概ね40~80位の間の数値になるようです。
40を下回る方は、もしかすると、意識していなくても、知らず知らずのうちに、ストレスを抱えてしまっているかもしれません。
ちなみに、1桁の方は、速やかに循環器科の診察・検査を受けられる事をお勧めします。
HRVの測定を通して、TFTが心臓に良い影響を与えたり、自律神経の調整をすること、そして、その結果として、身体的・心理的な変化を引き起こす事が明らかとなっています。これは、TFTが心の問題の解決だけでなく、全般的な健康の増進にもつなげることを意味しています。
「思考場療法入門」の書籍では、キャラハン博士の知人が、「心房細動の症状で集中治療室に入院している時に、いろいろな薬の処方でも状態を安定させる事ができなかった症状が、TFTを3~4分試す事で心房細動がなくなった」という逸話が記載されています。ご興味のある方は、ご一読されることをお勧めします。
TFTがHRVを改善し、HRVが改善する事で心の問題が解消されるのか、TFTが心の問題を解決した結果、HRVも改善するのか、どちらが先でどちらが後なのかはわかりませんが、客観的に考えてみると、例えば、普通なら緊張する場面で心臓がバクバクする事がなくなるのであれば・・・、先の事を考えた時に胃が痛くなる事がなくなるのであれば・・・、結果として、より冷静に対処する事ができるようになることは容易に想像できることと思います。
また、これが健康にも良いという事であれば、試さない理由はありません。
その他、HRVの改善は、学習や試験時のストレスケアや集中力の向上、職務ストレスのケアやパフォーマンス向上、スポーツにおける練習メニュー(ストレス)の強度指標やパフォーマンス改善などにも役立てられています。
科学の検証がTFTの効果を証明してきている
米国の心理学会では、TFTは、エネルギー心理学という分野で研究がされています。
日本とは違い、エネルギー心理学の分野の研究が、非常に活発に行われおり、研究の成果として、皮肉にも科学の方が、後追いで、TFTの効果を検証していくという結果を導き出してきています。
ハーバード大医学部の研究では、ツボの刺激が扁桃体やその他の辺縁系の過剰な活動を鎮める事が分かっています。
また、特定のツボへの刺激は、
- ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させる。
- ストレスを減少させる遺伝子を活性化する。
- 異常な脳波を正常化させ、デルタ脳波を作り出し、セロトニン、脳内モルヒネや喜びに関連する他の神経伝達物質の生成を増やす。
といった効果も明らかになってきました。
恐怖などの体験は、扁桃体を激しく活動させるが、ツボへの刺激は、過剰になった扁桃体の活動を和らげるなど、症状(原因となる感情)に対するツボ刺激の作用も解明されてきています。
うつ症状などは、扁桃体が委縮し、ストレスホルモンが過剰に分泌されている状態であり、当然ながら、扁桃体の活動を正常な状態に戻す作用が、うつ症状の改善につながる事はすぐに理解できます。
ため息と認知症
「ため息をすると幸せが逃げる」という事を良くいいますが、ため息をすると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、認知症になる危険度を高めるそうです。
もちろん、ため息が出るようなストレスを受けた結果、コルチゾールが分泌され、これをいち早く身体の外に出す為に、ため息としてストレス物質を排出する仕組みになっているのかもしれません。
いずれにしても、ツボの刺激がコルチゾールを減少させる効果があるということなので、認知症予防にも役にたつ可能性は高いと考えられます。
薬の服用やリラクゼーションなどでも心の問題は解決できる?
ストレスとホルモンや神経伝達物質に密接な関係があること、および、ツボを刺激することでストレスホルモンを減少させることができる事を考えると、心療内科等による投薬やリラクゼーションなどの施術によって、心に関する問題が解消できる事が考えられます。
投薬による治療は、ストレスホルモンや神経伝達物質に、化学的・生物学的に直接作用しますので、症状を改善したり、症状をコントロールする上では、非常に高い効果があります。しかしながら、投薬なしでも正常な状態に近づけるには、かなりの時間が必要です。また、状態によっては、薬の量を増やす必要が出てきたり、薬を減らしていくと症状がぶり返すという事が起こることもあります。
なによりも、薬を徐々に減らしていく断薬の時は、それなりに、辛い思いをします。また、心療内科や精神科の治療を受けた場合、ある程度の期間、生命保険(住宅ローンの契約の際の保険も含む)に入れないというデメリットもあります。
リラクゼーションや鍼灸など、ツボを刺激する施術、ヨガやエステなどは、今まさに出ている症状の解消やたまったストレスを解消するのには有効な方法である可能性があります。
ただ、施術中に注力している問題は、現在見えている表面上の問題であって、症状を引き落とす元となっている事柄・ストレスを溜めやすい体質にしてしまっている事柄(幼少期を含む過去の経験やトラウマ)に集中しているわけではないので、時間が経過すると、再度、症状が現れることになります。
TFTでは、現在現れている症状を引き起こす根本原因となっている事、例えば、自分では忘れていたような経験や意図的に封印してきた経験にフォーカス(チューニング)し、その問題を解消する事で、表面的に見えている問題を解消してしまいます。
心の問題を抱えている方は、肩こりや腰痛を訴えられる方も多いのですが、根本原因となっている問題から解消してしまうので、ほとんどの場合、根本問題の解消とともに、肩こりや腰痛もなくなります。
また、ストレスを溜めやすい体質の方は、ストレスを溜めにくい体質に変わっていきます。
日本人だけが知らない!? 海外では公的機関が認定するTFT療法
TFT(思考場療法®)は、日本では、それほど認知度が高いとは言えません。
TFTは、やり方や方法論的には、それほど難しいものではなく、心理を専門としない一般の方でも、比較的、容易に使う事ができる反面、「他人の心の問題に携わる」という一番大事な認識を持っていない一般の方が、過剰な宣伝文句つけて、ビジネス化できてしまう可能性がある事(往々にして、そういったビジネスでは、高額な施療費がかかったり、書籍を読めばわかる内容を10万円以上の費用がかかるセミナーとして利用される)から、専門家の育成には、心理カウンセラーの他、医療・看護・介護といった医療職、鍼灸師やカイロプラクターなどの施術士、教員・教職などの援助職の方に制限している事にもよるでしょう。
その他、TFTという言葉に、あまりなじみがない事などもあげられます。例えば、「ヨーガ療法」という療法がありますが、「ヨーガ」という言葉自体が知名度が高いので、自動的に、認知度が上がっているといったものです。
また、心理カウンセリングにしても、心理セラピーにしても、健康保険の適用外ですので、心の問題を起因とする症状をなんとかしたいと思ったとしても、最初から方法論として選択肢にならないという事もあるかもしれません。
しかし、世界に目を向けると、効果について証拠(エビデンス)を求められる公的機関などから認定を受けていたりします。
2016年1月、TFTは、エビデンスのあるトラウマの治療法として米国心理学会よりも大きな機関であるSAMHSA(Substance Abuse and Mental Health Services Administration)に正式に登録されました。
特に次の点で効果があることが認められています。(SAMHSAの記事を翻訳)
- 個人のレジリエンス(精神的回復力・耐久力)・自己概念
- 自律
- トラウマ・ストレス関連の障害と症状
- 抑うつとうつ症状
- 一般的な機能と健康
- 恐怖症、パニック、全般性不安障害とその症状
- 非定型およびその他のメンタルヘルスの障害と症状
もちろん、TFTが応用できる症状の範囲は、もっと広いのですが、トラウマやストレスから派生する様々な症状の改善・緩和の他、ストレス耐性の向上なども、認められた効果の範疇といっていいでしょう。
このほか、日本TFT協会の森川綾女理事長は、際連合人権施設共同体(United Nations World Human Facility Community)欧州連合(EU)フィリピン副総長に就任されたりしています。
世界人権施設は、WHOのような国連の独立機関とは異なり、国連と欧州連合の共同体で、科学者と研究者の組織であり、トップはベルギーのプリンセスです。
科学的な研究に基づいた方法で人権を守るプロジェクトを立ち上げて推進していくという活動が主なのですが、その中の医療従事者へのメンタル支援をという事で、推薦され、国連WHF大使よりの認証授与されたとの事です。
国内では、TFTの専門家養成セミナーは、臨床心理士の資格ポイントの一つにも認められていたりしますが、心理を専門とする方の間で認知はされているものの、まだ、一般には、認知度が低いのが実情でしょう。
最近では、熊本地震で、地元企業の「被災した職員へのメンタルケアセミナー」(約300人を対象)なども行っており、徐々に広がっていくことが期待されます。