心の壺
人は誰でも、心に「壺」というか「箱」というか、そういった空間を心の中に持っています。ここでは、心の壺と呼ぶことにします。
嫌な事や納得できない事、消化できない事は、この心の壺に押し込めていきます。
これは、心が壊れないようにする為の人間の機能の一つです。
成長する過程や生活を送る過程で、次に活かすための経験にできている場合はいいのですが、消化できない気持ちを伴った経験は、どんどん、過去のものを覆いかぶすように、詰め込んでいきます。
詰め込んでいくものは、より大きな消化できない気分で覆われていくので、それまで詰め込んできたものは見えなくなるのですが、それは消化できているわけではなく、目に見えている問題の方が大きいので、気が付かないだけの状態にあります。
また、こういった思いや経験は、成長する過程や時間の経過に従って、より強化していき、それが現在における表面化している問題になったり、独自の固定概念を作り出すこととなります。
心の壺には、人それぞれですが、許容量がありますので、入らなくなってしまうと、心が悲鳴をあげることになります。
心に問題を抱えておられる方は、どうしても表面的に見えている問題に注目しがちですが、根本原因はこれまでの間に、心の壺に閉じ込めてきたものにある場合がほとんどです。
封じ込めたものが一生出てこなければ、それはそれで問題はないのですが、時折、過去に封じこめたものが顔を出す事もありますし、異なる問題と合わせて、より強化して積み上げていってしまい、強化した結果が表面に出てきますので、封じ込めて完全になかった事にすることはできません。このため、反面教師として活かせる経験にしたり、素直に納得できる形で消化してしまうか、過去の自分を癒す事で消化する事で対処することになります。
「消化する」ことを「乗り越える」と表現する場合もあります。
しかしながら「乗り越える」と表現すると、精神力で乗り越えるようなイメージ強いのですが、TFTでの対処の場合、特別に精神力を必要とするわけではなく、心に刺さったトゲがスッと抜ける感じなので、「消化する」という表現の方がイメージとしては伝わりやすいと思います。
複数の心の壺
この心の壺ですが、一つだけではなく、複数持つというか、複数作ってしまう方もいます。そういう方は実は少なくはありません。
経験した事が、あまりにも辛い場合、現在を積み上げている心の壺とはまったく別の壺に入れて切り離してしまいます。切り離してしまいますので、切り離した側の壺の気分が優位になった時には、行動したり話をする時に、現実感がなかったり、「自分だけども、自分ではない人が話しをしている」と感じたりします。これを解離といいます。
問題が大きすぎる場合は、切り離した壺の気分自体を他の人格にまかせてしまう、いわゆる、多重人格(解離性同一性障害)を誘発する事もあります。
(注意:病名は医師によってのみ判断されます。カウンセラーは、医師により判断された病名を参考にする事はありますが、病名そのものをつける事はありません。正確な病名を把握したい場合は、医師による診断が必要となります。)
TFTでは、そういった消化できていない経験の気分を除去(無くなるのは、気分であって、記憶自体は残ります)します。特に、表面化されている問題よりも、その種となった心の壺の底にある根本原因を解消できれば、積みあがった問題も含め、表面化している問題も一度に解消されます。
もちろん、解離についても、複数の心の壺を作ってしまった原因を解消する事で、自然と解離の状態を解消することができます。ただし、解離については、根本原因へ焦点を当てるのが難しく、対処できるか否かはTFTセラピストの技量による事と、解離している数によっては、時間がかかる場合があります。
トラウマってどこまでをトラウマと言うの?
「トラウマ」は、日本語では「心的外傷」と訳されます。 主に、過去に受けた大きなストレスが、現在にまで影響を及ぼしている場合に、この言葉を使われる事が多いようです。
医学的な正確な定義はありますが、「現在まで影響を及ぼしている事」と捉えると、過去に受けたストレスだけでなく、知らないうちに植え付けられた固定概念もトラウマの一種であると考えています。
トラウマがあると行動ができなくなる
このページをご覧になられている方のほとんどは、自転車に乗る事はできると思います。過去に自転車に乗れるようになるために、練習した時の事を思い出してください。
ちゃんとした指導で、サクッと乗れた方は除くとして、一般的には、親・兄弟が、自転車の後ろを持って、乗れるように練習した人がほとんどでしょう。
練習の時には、怖い思いもし、時にはこけて怪我や痛い思いもし、それを続けていくうちにコツを覚えて、自転車に乗れるようになったと思います。「怖い」という感覚で言えば、自動車の運転免許を取る時も同じような感じかもしれません。
さて、今は自転車に乗れていると思いますが、もし、自転車に乗るたびに、練習の時に受けた怪我や恐怖心が戻ってきたらどうでしょうか?
到底、自転車に乗れませんよね。
このように、人は、成功体験をすると、過去の辛い事は忘れて、前に進む事ができるわけです。もちろん、完全に過去の事を忘れているわけではなく、自転車の場合、「ここでハンドルを切らないとこけてしまう」とか「こんな曲がり方をしたら危ない」など、活かせる経験に変えているわけです。
人の心の問題も同じような捉え方ができます。
- 子供の時に、親からの命令どおりしなければ、怒られていた/暴力を受けていた(「しつけ」という名の強制)
- 学校で、人前での発表に失敗した
- いじめに合っていた
- その他、心の傷となるような仕打ち様々な事項
一般的には、こういった事がトラウマと呼ばれるようで、さらにその影響を引きずっている人の心理状態を心理カウンセリングでは、アダルト・チルドレンと呼んだりします。
それでは、子供の頃に言われた(のかどうかは人によりますが)こういう事柄は、どうでしょうか?
- お勉強は今一つだけど、スポーツで頑張ってるからいい
- お父さんに似て不器用ねぇ
- ○○してはいけません/○○しないといけない/○○しなさい
普通に子供の成長期に遭遇する言葉や言動で、いい所を延ばそうとする親心であったり、しつけであったりしますが、時には肉親であるが故の無責任な評価であったりもします。
こういった言動が、大人になった(大人になる過程の人)の固定概念になっていきます。
冷静に考えるとわかるのですが、「本当に勉強できない?」「本当に運動音痴?」「本当に不器用?」「本当にそれはやってはいけない事?やらないといけない事?」ですか?
ほとんどの事は、小さい子供の時には当てはまった事かもしれませんが、成長した今となっては、それが正しいかどうか怪しいものばかりです。しかし、固定概念として根付いてしまっているので、それが心のブレーキになって、行動へとつながっていかない事が、とても多いのではないでしょうか?
例えば、「勉強できない」なんて本当にそうでしょうか? 勉強を「知識の量」と捉えるならば、かけた時間に比例します(もちろん、人によって効率は違いますが・・・・)。 小学校の時に、あれだけ苦しんだ掛け算の九九の暗記も、大人になって掛け算ができないという人はまずいないでしょう。
本が好きなら、どんどん読めばいいと思います。勝手に漢字の知識も増えます。もちろん、マンガもいいと思います。マンガに出てくる漢字であれば、大人が書けない字を小学生が書ける事も少なくありません。
「足が遅い」というのは本当ですか?というか、陸上選手になってメダル獲得を目指しているのでしょうか? 足が遅くても、サッカーもできれば、テニスもできます。少なくとも、自分で楽しめるのであれば、大いにやればよろしい事ですし、その結果、足もそれなりに速くなったりします。
要は、「できる」・「できない」ではなく、「やるか」・「やらないか」だけの差であって、「やらない」・「できない」のは、固定概念による心のブレーキが根本にあるためです(「やればできる子」参照)。特に、苦手意識などは、固定概念が作る心のブレーキの典型的な例です。
こういった固定概念もある種のトラウマと捉える事もでき、これが解消される、もしくは、活きた経験に変えられると、特に努力する事なく、自動的に、前に進める・挑戦できる・やってみるなど、行動できる体質に変わっていけるわけです。
活きるポイントはリラックス
最大のポイントは「リラックス」です。
心の病気の入り口として、夜に眠れないという現象があります。
不安が膨らんだり、消化できない怒りの感情を思い返したり、怖い思い出がよみがえったり・・・。
原因は人によって様々ですが、眠ろうとした時に、こういった記憶や感情が出てくると、眠れなくなります。 つまり、休むことなく頭が動きまわっているのですね。
この為、まずは頭を休ませる事が大事で、精神科・心療(内)科による治療では、ほとんどの場合、眠剤が処方されます。
覚醒している時はどうでしょうか?
他人の目が気になったり、落ち着かずイライラしたり、緊張がずっと続いていたり・・・。
こんな状態だと、効率の良くいい仕事ができないでしょうし、集中した作業や勉強などもできません。当然ながら、そういった中からいいアイデアが出てくるはずもありません。
覚醒している時であれ、眠っている時であれ「何をどうするか?」や「どのように考えるか?」などなど、対処方法や方法論を考えたり試したりする以前に、リラックスできているかどうかが一番のポイントになるわけです。
眠ろうとした時、不安な感情や怒りの感情が湧き上がってきたり、過去に味わった嫌な思いの反芻をしていたり・・・。
そんな状況は、生命にとっては危機を感じている状況ですので、頭の中で、常に、ファイティング・ポーズを取っているようなもので、休むどころではありません。
覚醒している時も同じで、常にファイティング・ポーズをとっていると、疲れ切ってしまいます。
武道などでも使われますが、意識して平常な状態を保つように心がけるといった意味合いが強いのですが、リラックスは、意識せずとも、自然と平常な状態にある事と言ってもいいでしょう。
もの静かで、落ち着いていて、物事を冷静に把握し、焦ることなく対処できる。
もちろん、すべての事柄が気持ちの上で整理され、消化されていますので、眠るときもぐっすりと眠れます。
本当のリラックス
仕事でも遊びでも、なにかの都合上、徹夜をする事になった時、次の日に、2日分位眠ったにも関わらず、なんか疲れが残っていると感じた経験は、誰しもが持っていると思います。
普段の仕事や学業を終え、その時点で疲れているにも関わらず、徹夜をするとなると、疲れを感じるレベルを自動的にあげてしまいます。危機的な状況にある場合には、生命を守るために疲れているなど言ってられないので、自動的に疲れを感じるレベルを上げる機能が、動物には基本的に備わっているものなのでしょう。
このレベルが上がってしまうと、疲れを回復するために休んだとしても、疲れを疲れと感じさせない為に上げてしまったレベルまでしか戻りません。この為、疲れが残っているように感じます。その後、何日かかけて、元の状態に戻っていきます。
心に問題を抱えている時も同様です。本当は休息を取って回復しなければならないぐらいに疲れているのですが、さらに頑張れるように、疲れを感じさせるレベルを上げてしまいます。その状態から、更に、負荷がかかるわけですから、辛くもなります。
一定の負荷が、ずっとかかっている状態で、さらに負荷をかけるような場合。
例えば、鉄棒にぶら下がった状態で、ぶら下がれる限界ぎりぎりまでその状態をキープし、そこからさらに懸垂をするといった事をすると、筋肉が固まってしまい、しばらくの間、鉄棒を握った形から動かせなくなったりします。
心も同じで、疲労レベルを上げてしまって、さらに負荷がかかる状態が続くと、心もカチコチになり、柔軟性が失われます。もちろん、楽しい事を考えるとか、前向きに考えるといった事で、ある程度はカチコチになった心も柔軟性を取り戻しますが、根本になっている問題は解消されていない(鉄棒にぶら下がっている状態)なので、本当にリラックスしているレベルまでは下がりません。
TFTでは、問題の引き金となっている根本原因による不調がその場で無くなるので、これまで経験した事がないようなリラックス感を得る事ができます。鉄棒の話で言うと、まずは握り続けている鉄棒から手を放してもらう事に相当します。
その上で、上げてしまった疲れを感じさせるレベルを正常な状態にまで戻しますので、これまでそれが普通だと思っていたレベルから、本当はこんなに楽だったんだと感じるレベルまで落ちます。この結果、よく眠れていなかった人はもちろんのこと、眠れているつもりでいる人も、途中でとても眠くなります。
また、本当によく眠れている人やゆっくり休んだ後の寝起きなどにやると、頭もすっきりし、もの静かで落ち着き、物事に集中できる平常心を自然に得る事ができます。
ダイエットはほとんどが失敗するか長続きしない
女性の痩せたい願望は、とてもエネルギーが高いようで、ダイエットを名目に本を出せば、まず、売れない事はないぐらいです。
しかしながら、ダイエットは、失敗したり、長続きしなかったりするのがほとんどではないでしょうか? もちろん、成功したとしても、かなりの精神力が必要だったりします。
マズローの法則というのをご存じでしょうか?
人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっており、低い階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を満たしたくなるというものです。逆に言うと、より低い階層の欲求が満たされていなければ、そちらの欲求の方が優先される事を意味します。
この階層は、低い階層から順に、次のようになっています。
ダイエットの場合、「綺麗に見られたい」とか「モテるようになりたい」というのが目的であれば、それは、社会的欲求に当てはまるのでしょう。その目標を達成する為に、食事を制限する方法を取ると、生理的欲求が満たされない事になる為、相当な精神力が要求される事になります。
もう一つ、ダイエットを阻害する大事な要因として「不安」があります。
不安は第二階層の安全欲求を脅かすものなので、不安が解消できなければ、より簡単に欲求を満たせる生理的欲求を満たそうと、食べることにその答えを求めます。もちろん、生理的欲求が満たされたからといって不安がなくなるわけではありませんので、一方では社会的欲求を満たす事を望みつつ、いつまでも満たされない安全欲求を忘れるため、より容易な生理的欲求で満たそうとする気持ちと闘う事になります。
TFTでは、不安を解消する事ができる上、依存への対応(喫煙など、欲求がおきた時に、欲求を鎮める)ができますので、間食をしないようにするなど、ダイエットを成功させるための、一助にすることができます。
その他に、ダイエットを成功させるためのポイントとして、「知識だけでは行動できない」にも記述したマインドセットを正しく設定するという点があります。
「○○のためにダイエットする」といった目的思考でマインドセットするよりも、「すでに理想の体型(体重)になっている」という事をイメージしてマインドセットした方が成功しやすくなります。
これは「すでに理想の体型になっている自分」というイメージを持っているので、「そんな人は、この時間にこんな間食を取っていない。」というイメージが、自分の行動をコントロールする事になるためです。
マインドセットとして持つイメージは、「たくさんの人にもてはやされている自分」といったように、自分ではコントロールできない他人の行動をイメージするのではなく、「この服を着れている自分」といったように、より具体的で自分でコントロールできることに設定する必要があります。
他人の反応は、あくまで結果論であって、自分でコントロールできるものではありません。このため、他人の反応にイメージをおいた場合は、単なる妄想になってしまいます。それよりも、自分自身に関する事にイメージをおくと、より具体的である事もあり、それに沿った行動ができるようになります。
うまくマインドセットができるかどうかは、過去の経験の影響を大きく受けます。例えば、「過去に体型の事でひどく傷つく事を言われた」といったトラウマがあると、うまくマインドセットができません。もちろん「見返してやる」といった反骨精神を持つのもいいのですが、過剰なダイエットになって、顔色の悪い不健康な状態に導いていく可能性もありますし、そもそも精神衛生上あまりいいことではありませんよね。
TFTでは、こういった過去の苦い経験を解消する事で正しいマインドセットを持てるようになったり、良いイメージのマインドセットを設定する事も可能で、ネガティブな面を解消するだけでなく、より活きた生活を創る上でも活用する事ができます。
なお、「痩せていること」と「魅力的なこと」とは、全く別次元の話なので、過度なダイエットや健康を害する方法は避けていただくよう補足しておきます。
ちなみに、過度なダイエットにより、摂食障害(食べ過ぎ・食べなさすぎなど)の方は、その根本原因に強迫観念などがある場合が多く、こういった問題の解消にもTFTが使えます。
占いとメンタルケア
街角で、時々、占いのスペースを見かけます。 以前見かけた時に、看板等を見ると「一見20分3,000円」と記載されていました。
占いには、メンタルの面で、何点か良い所があります。
- 行動を後押ししてくれる
考えている事・思っている事を「やるべきか?」・「やらざるべきか?」など、迷った時に、占いがその行動を後押ししてくれる場合があります。 しかし、本当は、自分の心は先に決まっている場合が多く、それを第三者が肯定してくれる事で、一歩をふみ出せるという作用があります
- 失敗の責任や望まない出来事を他に転嫁できる
失敗の経験をすべて自分の責任にとして取り込んでしまうと、心が悲鳴を上げる事があります。
この点、「運勢があまりよくなかったから」・「今年は星のめぐりが悪いから」といった形で、自分の望まない結果を他の事に転嫁できますので、気分は随分と楽になります。ただし、意識を他に転嫁してしまうので、その経験を活かせる経験にできないというデメリットもあります。
また、自分の望む予測が占いで先にあって、それが叶った場合は「占いが当たった」という事になりますし、予測どおりにならなかったとしても「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で事が済ませられます。悪い占いが外れた場合は「結果オーライ」、悪い占いが当たった場合は「運気は下がり気味だから」といった感じで、心の負担を他に逃がす事ができます。 - 占い結果を意識した行動になる
例えば「今年、将来の結婚相手が現れるでしょう」といった占い結果になると、知らず知らずのうちに、これまで意識してこなかった周りの異性を結婚するかもしれない対象として見るようになります。行動も結婚を望んでいる人らしい行動になり、顔色も変わり、結果もそのようになります。
その他「怪我の暗示が出ています」と言われれば、普段は気にしない階段やちょっとした凹凸やでっぱりなどを気にして行動するようになります。
こういった普段は意識しない事でも、意識する事で今まで見ていない事まで細かく見てしまう・見えてしまうようになる事をカラーバス効果といいます。
具体的に車を買いたいと考えている時は、外車が多い事に驚いたり、走っている車のデザインや色をよく見るようになるだけでなく、TVの宣伝や専門書などを気にするようになったりします。流行のデザインの服が欲しいとなると、同じような服を着ている人が意外に多くいて、どんな色で、どんな服とコーディネートしているかなどが目につくようになるといった現象と同じです。
いずれにしても、暗示にかかりやすい方や思い込みが激しい方ほど、占いが当たる方向に行動が変わっていく事になります。特に、第三者からの肯定意見をもらう事によって、自分で自分に言い聞かせて行動を変えるよりも、より行動へと移しやすくなります。
このように、心の負担を軽くする・行動を変えていくという意味では、占いもある程度は効果があります。
ただ、心の問題を抱えている人にとっては、一つとして問題を解決してくれるわけではありませんので、違う選択をされた方が賢明です。また、あまりに占いに頼り過ぎてしまうと、自分の人生を他人の意見に預ける事になりますので、あくまでレクレーションの一つ位で捉えた方がいいでしょう。
もし「この頃、ついてないなぁ」とか「なんか人の巡りあわせが悪いなぁ」など感じている方は、問題は運勢ではなく「知識だけでは行動できない」で記載したマインドセットの問題かも知れません。
各人の嗜好や性格にもよると思いますが、占いに3,000円かける(費用は場所によって違うと思いますが)位なら、一つでも問題を解決してくれるカウンセリングにお金をかけた方がよっぽど有用だと思います。
他人をコントロールする事はできない。
他人はコントロールする事はできません。
もちろん、自分が変わる事によって、他人が自分に対する接し方が変わる事はあります。 しかしながら、自分の理想とする行動や考え方・感じ方を他人にしてもらう事はできません。
もし、自分の理想どおりに他人がなっているように見えても、それは、その人自身がその人の考えに従っているだけで、自分がその他人をコントロールしているわけではありません。
もちろん、仕事における管理・コントロールは、思考ではなく作業の委託なので、別の話です。
カウンセリングで相談されることの95%は、人間関係の悩みやトラブルで、その根底には、必ずと言っていいほど、「他人をコントロールしたい(自分の理想のようにふるまって欲しい)」「他人が自分をコントロールしたいという圧力がストレスになっている(命令や時には暴力などで支配しようとしてくる)」といった感情が埋もれています。
内容として「DVを受けている」「なにかと干渉してきて困る」といった相談がありますが、こういった相談は、自分の心と向き合うカウンセリングでの解決は難しいです。なぜなら、自分の心はコントロールできても他人の心をコントロールする事はできないためです。
唯一の解決方法としては、まずは冷静になってリラックスする事です。
冷静かつリラックスしている状態であれば、例えば暴力を受けているような場合には、警察の関与を依頼したり、各自治体の相談窓口経由で適切な対応窓口に相談するといった判断ができるようになります。未成年の方であれば、児童相談所に相談してみるといった考えも浮かびます。
他人の言っている事を自分が気にしなければ、特に問題ないような場合には、正面で受け止めて自分の心を痛める事なく「流してしまう」事もできるようになります。
物理的な被害がないのであれば「忘れてしまう」というのも一つの手です。
ただし、心の壺の章でも記載していますが、不快な気分を伴わない活かせる経験に変えて忘れないと、解消できていない気分だけが積みあがっていき、更に辛い思いをしたり、他の人格に預けてしまうといった事がありますので注意が必要です。
また、ちゃんと消化できていないと、似たような事があると、冷静になれなくなり、リラックスできない状況に追い込まれたりする原因にもなる可能性があります。
TFTでは、積みあがってしまった解消できない気分を瞬間的に解消し、活かせる経験に変えていけるだけでなく、その必然として、冷静かつリラックスして物事を捉えられるように変えていけます。
DV被害を受けている方は、DVそのものをやめてもらうようにするという事はできませんが、自分自身が冷静でリラックスした状態になる事によって、適切な対処を自分が取れるようになります。適切な場所に相談するといった事の他に、物理的に距離をとるといった事も対処方法の一つかもしれません(物理学というか幾何学の法則的に、距離が2倍離れれば、強さは1/4倍、つまり2乗に反比例して薄まりますので・・・)。
DVをしてしまう自分をなんとかしたいという方。自分自身で気が付かれた今、この時がチャンスです。
その行為そのものを止めるという努力の仕方もありますが、DV行為に誘導する解消できていない過去の気分が根底にあります。もしかすると、自身も幼少の頃にDVを受けていたかもしれません。
消化しきれていない過去の経験や気分をTFTで解消する事で、常に冷静でリラックスした状態を保てるようになるため、DV行為に誘導する気分にならないようにできます。
物理的な暴力だけでなく、言葉での暴力も含め、子供や伴侶の他、親や立場が弱い他人への攻撃をしてしまう方は、「他人を傷つけているようでいて、自分をも傷つけている」という事に気が付いてください。また、「負のイメージを払しょくするのは難しい」の章でも記載していますが、消化できない不条理感や怒りの感情、もしかしたら、恐れの感情かもしれませんが、こういった感情を持ち続けるという事は、いつもその感情のイメージトレーニングしているようなものなので、それが現実化してしまいます。
他人の目が気になる、気を使いすぎる
いつも他人が自分をどう見ているか気になる。
自分が行動した時に他人の反応が気になる。
他人との会話や交流する時にあまりに気を使いすぎる。
円滑に社会生活を送るためには、ある程度はこういった気遣いが必要なのですが、これが過度の状態になっている人は、実にたくさんいらっしゃいます。特に、カウンセリングを受けられる方にはとても多いです。
このように感じておられる方は、普段の生活がとても疲れます。人によっては、これが生き辛く感じさせる原因になっている場合もあります。
他人との交流をする時に、過度に気を使いすぎてしまう人は、自分の意見は飲み込んでしまい、相手が気に入る話(提案)や行動をしがちです。その結果、例えば仕事では、自分は望んでいない作業ばかりが集まってきたり、損な役回りを押し付けられたりします。
そうなってしまう原因は自分にあるのですが、自分自身の意見で行動しているのではなく、所詮、他人の意見で行動させられてしまっていることから、こういった方に限って「どうして私ばかり大変な思いをするの?」といった愚痴が出てきたりします。
こういった、自分を見る他人が過度に気になったり、他人の意見を優先してしまうのは、その方が持っておられる一種の癖のようなものです。
少し冷静になって考えてみましょう。
他人は自分が思うほどあなたの事を見ていない
よっぽど奇抜なかっこうをしていたり、変な行動をしない限り、本人が思う(感じる)ほど、他人はあなたのことを見てはいません。
病的にあなたを監視してやろうという人か、恋愛感情を持っている人でもない限り、あなたの行動を監視したり、干渉したりするほど、人は暇ではありません。
そんなことはわかっている。でも、どうしても他人の目が気になる。その正体は何でしょうか?冷静になって考えてみましょう。
そう!あなたが他人の目と感じているのは、自分自身の目なのです。
変な言い方ですが、自分で自分の意識をまわりにばらまいて、ばらまいたあなた自身の目というか意識があなたを見ているわけです。こういった場合、往々にして、批判的な目で見ています。
この状態だと、普段から疲れて当然です。一日の生活が終わると、もうへとへとですよね。
先に結果はわからない
相手の気に入りそうな話や行動を先に想定して、自分の意見を押し殺して話しをしたり、行動したりしてしまう方。その根底には「恐れ」の感情があります。特に嫌な思いをする代表格が「批判」です。
誰しもが、自分の意見に同意してくれたり、自分のアイデアにポジティブな評価をしてくれると嬉しいものです。しかし、必ずそうなるとは限らず、批判を受ける場合もあります。
このため、ついつい、相手が気に入るであろう事柄を先に想定し、なるべくそうなるように、言葉も選びつつ交流してしまうことになります。(攻撃は最大の防御で、「恐れ」の感情が、過度に他人を攻撃してしまう行動として現れる場合もあります。)
「批判」というのは、精神的にも大きなダメージを与えるものなのですが、ここでも少し、冷静に考えてみましょう。
実は「批判」というのは、誰にでもできる意見の出し方なのですね。なぜ、誰にでもできるかというと、批判したからといって、批判した人に何の責任も発生しないからです。つまり、「批判」というのは、批判を受ける側は、とても嫌な思いをするのですが、批判する側は、とても無責任な発言をしているわけです。時間経過とともに、言った側は、言った事すら忘れている場合も多々あります。
という事は、その批判やアドバイスに従って、行動を変えて失敗したとしても、言った人が責任を取ってくれるわけではないので、極端な話ですが、耳をかさない、もしくは、流す(スルーする)というのも一つの選択肢なのです。
もちろん、その意見がもっともな話で、自分にとってプラスになる事であれば、部分的にでもそれを吸収して、よりよい方向に考え方を変えればいいだけで、意にそぐわない意見に振り回される必要はありません。
しかしながら、他人の意見を優先してしまう方は、この批判を正面からまともに受け止めて傷つき、次の時には、さらに相手の顔色を伺いつつ話をするといった悪循環に陥っている場合が多いようです。
まず、「何かをするときは、必ず、批判があるもの」という事を理解することと、伝える前・行動する前から「先に結果はわからない」ので、何事も「言ってみないと・やってみないと」わからないという事を理解する事が大事です。そして、批判を受けても、有益な情報は自分に取り込み、不利益を被る「無責任な意見」は、ある程度、流せるようになる事が大事です。
では、「自分は自分だから他人の目は気にしない」「自分の気持ちはストレートに伝えて、批判は流す」というように、すぐになれるでしょうか?
残念ながら、答えはNoです。
特に、日本は「恥の文化」であり、小学生の頃から「授業中は着席し、意見がある時は手を挙げて、指名されて初めて話す事ができる」といった規律を重んじる教育の中で成長していきます。
もちろん、こういった、趣き(おもむき)を尊重する考え方と秩序的に行動する文化は、海外にはない良き文化ではあるのですが、あくまで程度問題で、過剰になりすぎると、自由な意見を素直に表現できなくなったり、他人からの意見(主に批判)を先に想定してしまって、発言そのものができなくなっても不思議ではありません。
こういった、大事な成長期に、本能的に反応してしまう体質になってしまっている土台があるので、少し意識を変えただけで、劇的に変わるという事はありません。また、強い意志で変えようとしても、刷り込まれて出来上がった本能にけんかを挑むようなもので、最後には、必ず、意志の力の方が負けます。
この問題を解決する(もっと楽な気分で社会を生きれるようになる)には、過去、つまり、成長の過程の状況にまで遡る必要があります。
成長過程における感情を伴う記憶の解消が大きな鍵
他人の目を気にする方、他人の意見を優先してしまう方。そういう体質になる原因が、幼少期から独り立ちするまでの過程にある場合がほとんどです。
学校教育の現場での経験も影響はありますが、それよりも、もっと大きな影響を与えるのが、成長時期における保護者との関係です。(通常は自身の親ですが、場合によっては、影響力の強い遠縁の人でも当てはまることがあります)
他人の目が気になる方。言葉を選びながら話をすることが癖になっている方。幼少期の頃から、次のような環境で育った、もしくは、経験したという事はありませんか?
- 小さい頃から、なにかと親から干渉を受け、怒られる時は、軽くであっても、叩かれる事が多かった。もしくは、強い口調で怒鳴られる事が多かった。
- 父親もしくは母親のどちらかが非常に厳格で、家庭における支配者であった。
→ 必然的に、会話する時も、言葉を選んでしまう。 - 「いつもいい子に見られたい」という思いから、本当はやってみたかった事なども、ぐっと飲み込んでしまう事が多かった。
- 習いごとなど、自分はやりたくなかったが、怒られつつもやり続けさせられた。
→ これが現在の自分にとって「あの時やってて良かった」と思えるほどのプラスになっているならば問題はありません。ただただ辛い思いだけが残っていると問題です。 - 極端に過保護だった。
→ 極端な過保護は、なんでも先に答えを教えるようなもので、「やってみる」という意欲を失うだけでなく、失敗した事に工夫を加えて解決するという成功体験をも奪います。 - 「あなたは運動音痴だね」とか「ほんと、不器用なんだから」などなど、能力の限界を決めつけられた事がある。
→ 親というのは、自分の子供を一つの人格ではなく、自分の所有物でもあるかのように考えてしまい、傷つけたり、可能性の限界を決めつけたりしかねない、配慮に欠けた言葉をかけてしまう事があります。
あくまで例なので、 他にもいろいろあると思いますが、こういった環境や経験のもと成長していくと、自分の本当の気持ちは、どんどん心の壺(詳しくは「心の壺」の章を参照)に押し込めていってしまい、いつも周りを気にしながら生きていく術(すべ)を強化し、自分にとって生きにくい社会に感じさせる結果になります。
「トラウマってどこまでをトラウマと言うの?」の章にも記述していますが、こういった環境や経験は、一般的にはトラウマとは認識されにくい事なのですが、実は、立派なトラウマなんですね。
特に、まだまだ繊細で弱いガラスのハートの時期に受けた仕打ち(場合によっては継続的に受けてきた仕打ち)なので、とても根深く、意志の力で簡単に変えられるものではありません。
他人の目を気にしたり、言葉を選んで交流してしまうのは、一種の癖のようなもので、囚われの身になっている心を早く卒業させてあげた方がいいのですが、それには、まず、心の壺に詰め込んで、強化され続けてきたトラウマを解消し、場合によっては活かせる経験に変える必要があります。
こういった子供の頃に受けた傷を癒すことで、現在の社会生活で支障がでる感情や考え方の癖を解消する事を「インナー・チャイルド・セラピー」と呼びます。
インナー・チャイルド・セラピーの方法としては、言葉によって心の中にいる子供の時の自分を癒す方法や催眠を使う方法など、いろいろあると思いますので、ご自身に合った方法を選択されればよろしいかと思います。
ただ、この問題の核心は、子供の時に作られてしまった心の傷が原因で、これはトラウマですので、一番、安全で、早く(「論文でも報告されている実験で証明された効果」の章を参照)、副作用もないTFTを使われる事をお勧めします。
ケリー・ターナー著「がんが自然に治る生き方」とTFTの利用
ケリー・ターナー著「
がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと」という書籍があります。 発行後、すぐに、アマゾンで、「がん関連」書籍ベストセラー1位になった書籍です。 著者の分析により、「劇的な寛解」となった事例から、9つの共通する実践事項を紹介しています。 |
- 抜本的に食事を変える
- 治療法は自分で決める
- 直感に従う
- ハーブとサプリメントの力を借りる
- 抑圧された感情を解き放つ
- より前向きに生きる
- 周囲の人の支えを受け入れる
- 自分の魂と深くつながる
- 「どうしても生きたい理由」を持つ
このうち、「ハーブとサプリメントの力を借りる」という項目以外は、思考場療法®(TFT)の技術が非常に役に立ちます。
食事は、身体への影響は当然あるのですが、心にも強い影響を与えます。アレルギーのように、種類と症状の出方には、人によって異なりますが、例えば、「刺激物を取ると気持ちが落ち着かなくなる」とか「甘いものを取ると、集中力がなくなる」といったような感じで、影響が出ます。
思考場療法®(TFT)には、これらの影響を消す・軽減する手法もあるのですが、もっとも大きい役に立つのは、飲酒や喫煙といった嗜好品への強い依存の軽減・解消であったり、「ついつい、チョコレートや飴をつまんでしまう」といった接種するものに対する依存の軽減・解消でしょう。特に、依存している物質は、普段から、他人よりも接種している量が多いでしょうから、心に影響を与えている可能性も高いです。
思考場療法®(TFT)では、「たばこを吸いたくなる」「お酒を飲みたくなる」「甘いものに勝手に手がのびる」といった依存的な衝動を感じた時に、気分を楽にし、衝動を抑える方法があります。
依存からくる衝動を意識で抑えるには、相当な精神力が必要で、それ自体が新たなストレスを作り出す結果にもなりますが、ご自身で、数か所のツボをトントントンとタッピングするだけで、衝動を抑えられるなら、これに越した事はありません。
治療法を自分で決めると言っても、そもそも重い病を患っているわけですから、治療法を選ぶ段階で、不安のために、冷静さを失っている可能性が高いと思います。場合によっては、悪徳な霊感商法にひっかかる可能性もあるわけです。
冷静に考えれば、高額な霊感商品を購入したからといって、なにか効果があるかどうかはわかるというものです。
思考場療法®(TFT)では、まずは、膨れあがってしまう不安な気分を抑え、気分をリラックスした状態にして、冷静に物事を判断できるようにする効果があります。
また、不安を解消するだけでなく、自分自身を中心として、冷静な判断をするために、心の芯の構築作業も実施すると、より、しっかりと、治療法の種々選択ができるようになります。
直観というのは、以外にあたるもので、自分自身の納得性もあるのですが、神の啓示でもあるかのように、何の土台もないところに、急にわいてくるものではありません。直観がはたらくには、それなりに、それまでの経験が土台となって、「これまでの経験から、感じとして、これがいいと思う」といった形で、感じるものです。
もし、これまでの経験が、間違った認識で理解されていたなら、この直感も間違った方向に進んでしまいます。
思考場療法®(TFT)では、過去の解消できていない感情を伴う経験、つまり、トラウマを解消し、活かせる経験へと変えていく心理セラピーですので、同じ直観がはたらく状況でも、より活かせる直観がはたらくようになる事が期待できます。
「抑圧されてきた感情を解き放つ」というと、感情を行動や言動として爆発させて解消するようなイメージがありますが、それまで抑圧されてきた感情ですので、行動や言動として爆発させたとしても、その場は一瞬、スッとした感じを感じるかもしれませんが、過去から残っていた感情が、きれいサッパリなくなるわけではありません。むしろ、爆発させることで、さらに、自分に罪の意識を植え付けてしまったりする事もあります。
これも、「直観を信じる」と同様に、思考場療法®(TFT)を使うと、過去の解消できていない感情を伴う経験、つまり、トラウマを解消し、活かせる経験へと変えていけますので、それまで抑圧された感情を解き放つのに、非常に、有効に使える手法となっています。
大きな病気をすると、どうしても不安が膨らんでしまい、なかなか前向きになれないものです。また、不安な気分を残したまま、意識の中で、前向きに考えるようにしても、なにか、心にしこりが残っている感じがするもので、そのアンマッチングな状態は、気持ちだけでなく、心と身体を崩す原因になっている事もあります。
そうなると、人間の自然治癒力を信じ切るという事もできなくなります。
前向きに考えられるようになるには、その前に、まず、この不安の気分や気持ちから解消されておく事が重要で、その方法として、思考場療法®(TFT)を有効に利用できるでしょう。
「周囲の人の支えを受け入れる」のには、気持ちを素直にすれば、実現できるでしょう。ただ、小さいときに、支援してくれる人から暴力を受けたなど、トラウマになるような経験があると、そう簡単には素直になれないものです。
また、支援を受け入れる事によって、感謝の気持ちが生まれるのであればいいのですが、支援してくれる人との関係性などから、自身の中に、罪の意識を持ってしまう事があります。「罪の意識」は「怒りの感情」と同様に、非常に強い感情ですので、これも、あまりいい影響を与えるものではありません。
思考場療法®(TFT)では、トラウマの解消はもとより、こういった罪の意識の解消にも有効に使える手段ですので、素直に周囲の人の支えを受け入れる体制を作る上でも役に立ちます。
自分の心と深く向き合う事は、非常に大事な事です。向き合う事で、外に見せかけている自分ではなく、本当の自分に気が付くからです。また、そこに気が付けば、本当の自分の気持ちなどを外に表現できるようになるので、無理からに作った自分を前に出すのに比べると、それだけで、かなり、気持ちや気分は楽になります。
しかしながら、向き合った結果、憎悪や恨み、嫉妬などであった場合、その気分が戻ってくる事で、さらに、自分の心と身体を傷つけますので、健全な向き合いではなくなります。特に、強い感情は、身体にも負担をかけるため、向き合う時の状況も考える必要があります。
こういった状況でも、強い感情を伴う経験を活かせる経験へと変えていける思考場療法®(TFT)は、健全な向き合い方をするためにも、有効に使える手段でしょう。
「元気になったら、これをやってみたい、あれをやってみたい、あそこに行ってみたい。」など、将来、やりたい事を強く思う事は、生きる気力をくれます。しかしながら、それらが、復讐心などの場合、生きる気力をくれるエネルギーとしては強いとは思いますが、「自分の魂と深くつながる」と同様に、自身の心と身体を傷つける事となります。特に、重い病を治そうとしているときですから、生きたい理由として持つのは、健全ではありません。
「生きたい理由」として持つならば、なるべく現実味のある夢であったり、希望にしたいもので、それには、心の状態の調整も必要となります。
「思考場療法®(TFT)でがんを克服する」という事は言えませんが(薬事法上でも、そういった表現は禁止されています)、心や感情が身体症状に関連している事は間違いない事でもあり、ケリー・ターナー氏の書籍を試されるのであれば、思考場療法®(TFT)を試してみる価値はあると思います。自分自身でツボをトントンとタッピングするだけですので、より単純で簡単に、心の状態を整えていく事ができますので、精神論で習慣を変えていくのも良いと思いますが、加えて、補助的に思考場療法®(TFT)を試してみる事をおすすめします。
もちろん、同著のように、通常のがん治療でうまくいかなかった方だけでなく、通常のがん治療を受けながら、同時に、やってみるのも良いでしょう。
数年前、私の姉も、がんで入院しました。
血液のがんで、ステージ4だったのですが、今は、がんの種類によっては、とてもよく効く抗がん剤が日々開発されているようで、無事に寛解の状態になりました。
がんの治療自体は、薬にまかせるとして、困ったことは、長い期間、ベッドにしばりつけられていると、腰が痛くなり、それがまた、ゆっくりと身体を休めて眠ることができない状態にしていました。
そこで、思考場療法®(TFT)を試してみると、ものの10分程度で、その場で腰痛がなくなり、それ以降、ゆっくり睡眠をとれるようになったようです。
このように、なにも重篤な場合だけに限らず、ちょっとした不調の時でも、とても簡単な方法で、しかも短時間で効果が実感できる方法ですので、様々な場面でお使いいただければと思います。